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アクリル製アンプ棚

当時私が勤めていた会社は、ペンシルベニア大学の大規模プロジェクト向けに3,000kgのアクリルガラスをスポンサー提供されました。しかし製造過程で、必要量は3分の2に過ぎないと判明。そこで私は残りのアクリルを自身のプロジェクトに使用できないか打診しました。興味深い話に聞こえるかもしれませんが、このプロジェクトのために1ヶ月以上もアクリルガラスの研磨に専念したのです。余暇には、アンプにOrange Crush 20を使用したエレキギターを弾いています。そのアンプ用の棚を作ろうと考え、余ったアクリルをこのアイデアに活用することに決めました。希望の高さに達するため、個々の板をどう接続すべきか迷いました。ネジ付きロッドを挿入し穴を開ける方法もあった(後に別のプロジェクトで採用した手法だ)が、各層に自然光が透過するようアクリルを半透明に保ちたかったため、接着が唯一の選択肢となりました。しかし全てのパーツを接着した後、側面に大量の接着剤の残留物が残りました。当初は表面全体を研磨して完全な透明度を得る計画でした。しかし、棚の溶けたような縁から光がきらめく様子を見て、この有機的な殻をそのまま残すことに決めました。この頑丈さゆえの欠点は重量で、38kgもあり移動が困難でした。ポリウレタン彫刻と同様、再び作ることはないでしょうが、光が作り出すこの溶けかけたような見た目の効果は、心に留めておくべきものです。

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